電気設備学会

2020年(令和2年)電気設備学会賞受賞者

第21回 会長賞受賞者の功績概要

日髙 邦彦

所属
東京電機大学
功績概要
日髙邦彦氏は,1981(昭和56)年3月に東京大学大学院工学系研究科電気工学専門課程博士課程を修了された後,同年4月防衛大学校電気工学教室助手,1985年東京工業大学工学部電気・電子工学科助手,1987年東京大学電気工学科講師,1988年助教授,1990年英国ウェールズ大学カーディフ校学術フェロー,1997年東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻教授,2008年東京大学大学院工学系研究科先端電力エネルギー・環境技術教育センター(APET)センター長にそれぞれ就任され,2019年に定年退職し6月に名誉教授となり,また,同年4月に東京電機大学大学院工学研究科電気電子工学専攻特別専任教授に就任され,現在に至っている。
氏は、電気工学における高電圧分野において気体絶縁材料の絶縁媒体としての特性研究や絶縁破壊電界・沸点予測の精度向上研究、エポキシ樹脂の電気トリーの進展と部分放電特性の研究のほか、真空遮断器の直流遮断性能評価研究などに従事されており、多くの優れた功績を挙げられている。
電気設備学会においては、電気設備機器の絶縁設計標準化の調査研究、電気設備のスマート保安の先駆けとなる保安点検の高度化研究のほか、直流の利活用の調査研究などの委員会の委員長として多くの成果を挙げられている。
また、上記大学において長年に亘り後進の指導にあたり、多くの技術者や研究者を育成された。
更に氏は、電気学会会長、放電学会会長、高電圧技術協会会長を務められるとともに、IEEEフェロー、電気学会フェローなど多くの称号を授与されるなど、国際的にも広く電気設備業界の発展に寄与されている。
以上のような事由により、電気設備学会会長賞に相応しい。

第9回 学会功績賞受賞者の功績概要

後藤 清

所属
株式会社 関電工
会員期間
10年
功績概要
後藤 清 氏は、2011(平成23)年からの正会員であり、2015(平成27)年より2019(令和元)年にかけて学会副会長を務められる傍ら、企画運営会議では主査を2年、議長を2年務められるなど、学会の運営に対して多大に貢献された。特に、人材育成や新規事業の創設に意欲的に取組まれ、学生研究発表会の発足や情報システムの整備にも大いに関与された。
また、学会運営基盤の改善と強化を図るために発足した経営改革強化委員会において、経営改革活動方針を立案、実施するなど財政基盤の健全化に大いに貢献された。とりわけ組織のスリム化に積極的に取組まれ、総会への代議員制導入や学会を運営する部会の統合に尽力された。加えて学会会員のサービス向上を図るため、年会費のコンビニ決済収納システム導入を提唱された。
同氏は、電気事業および電気設備工事の業界において重要な役職に就かれており、業界における学会の地位向上に大いに貢献されていることからも、学会功績賞にふさわしい。

林 則行

所属
宮崎大学
会員期間
29年
功績概要
林則行氏は、2001(平成13)年に福岡で開催された第19回全国大会の実行委員を皮切りに、2002(平成14)年度から支部理事として支部役員会に参加し、2003(平成15)年度から2006(平成18)年度までの4年間、副支部長、そして2007(平成19)年度から2015(平成27)年度まで9年間という長きに亘り九州支部長ならびに本部理事を務められ、支部の事業運営、支部活動の活性化ならびに会員数の拡大等に情熱を注ぎ、支部の発展に極めて大きな足跡を残された。
その間、1999(平成11)年の福岡水害を受けて、自主研究「電気設備と水害」を幹事会主査として2002(平成14)年に報告、2012(平成24)年から2014(平成26)年には委託研究「高圧需要家の力率改善用コンデンサの実態調査」と「高圧需要家の自動力率調整装置の実態調査および普及への課題」を委員長として報告された。また、1994(平成6)年度第7回および2002(平成14)年度第14回電気設備学会賞学術部門論文奨励賞、2007(平成19)年度第19回電気設備学会賞学術部門論文賞、2008(平成20)年度第1回九州支部優秀業績賞をそれぞれ受賞された。
同氏の本学会での活動成果は、会勢の拡大による支部の活性化、技術レベルの向上、賛助会員を含めた地域の企業や地元大学・高専との連携、若手技術者の育成など多岐に亘り、当支部・当学会の発展に大きく貢献され、学会功績賞にふさわしい。

第32回 部門別学会賞受賞者一覧

学術部門

※所属は学会誌掲載当時のものである。

論文賞
受賞者:佐々木 豊(広島大学),造賀 芳文(広島大学),餘利野 直人(広島大学),間屋口 信博((株)中電工)
受賞対象:論文「太陽光発電・蓄電池導入を目的とした需要家向けEMS シミュレータの開発~蓄電池内部温度制約の考慮~」
著者:佐々木 豊(広島大学),嶋村 悠太(広島大学),山本 友貴(広島大学),造賀 芳文(広島大学),餘利野 直人(広島大学),間屋口 信博((株)中電工)
論文奨励賞
受賞者:衣笠 仁(岐阜大学),蜷川 忠三(岐阜大学)
受賞対象:論文「大規模ビルマルチ空調設備群の高速デマンドレスポンス集積による仮想発電所の可能性」
著者:衣笠 仁(岐阜大学),蜷川 忠三(岐阜大学)
論文奨励賞
受賞者:山中 章文(同志社大学),長岡 直人(同志社大学),森田 祐志((株)きんでん)
受賞対象:論文「FDTD解析に基づく構造体基礎接地インピーダンス等価回路」
著者:山中 章文(同志社大学),井上 翔太(同志社大学),長岡 直人(同志社大学),森田 祐志(きんでん)
学術奨励賞
受賞者:江口 卓弥(福岡工業大学),田島 大輔(福岡工業大学)
受賞対象:研究速報「焼酎粕活性炭を用いた電気二重層キャパシタの充放電特性と電極厚みの関係」
学術奨励賞
受賞者:米津 大吾(関西大学),矢野 剛(住友精密工業(株)),益尾 和彦(元(一社)日本電線工業会)
受賞対象:技術資料「電線太径化(ECSO)普及のための異径ジョイント工法の提案と検証」
資料・総説賞
受賞者:山口 順之(東京理科大学工学部電気工学科)
受賞対象:特集記事「AI・ビッグデータを活用した電気設備の漏電予測技術」
著者:山口 順之(東京理科大学工学部電気工学科)
資料・総説奨励賞
受賞者:酒井 重嘉((株)関電工)
受賞対象:特集記事「最近の電気設備保守業務から見えてくる将来動向」
著者:酒井 重嘉((株)関電工)
資料・総説奨励賞
受賞者:米盛 弘信(サレジオ工業高等専門学校機械電子工学科)
受賞対象:特集記事「近未来の人材育成」
著者:米盛 弘信(サレジオ工業高等専門学校機械電子工学科)
著作賞
対象なし
調査研究賞
対象なし

(以上,8件17名)

技術部門

※部門別各賞の受賞者に付記した○印は幹事企業・団体を示す。

最優秀施設賞
受賞者
(計画・設計・監理) 株式会社日本設計 ○
(計画・設計・監理) 株式会社NTTファシリティーズ
(ウエストタワー施工(総合)) 株式会社竹中工務店
(イーストタワー実施設計・施工(総合)) 株式会社大林組
(施工(電気設備)) 株式会社きんでん
(施工(電気設備)) NTTコミュニケーションズ株式会社
対象の業績 大手町プレイス「ウエストタワー,イーストタワー」の電気設備
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優秀施設賞
受賞者
(設計・施工) 株式会社竹中工務店 ○
(施工(電気)) 株式会社きんでん
(施工(電気)) 住友電設株式会社
(施工(BA)) ジョンソンコントロールズ株式会社
対象の業績 オプテージビルの電気設備
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優秀施設賞
受賞者
(計画・設計・施工(総合)) 大成建設株式会社 ○
(計画・設計・監理) 株式会社久米設計
(施工(電気)) 株式会社関電工
対象の業績 大宮区役所新庁舎の電気設備
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優秀施設賞
受賞者
(設計・施工(総合)) 株式会社大林組 ○
(施工(電気設備)) 株式会社きんでん
(施工(電気設備)) 株式会社関電工
対象の業績 東京医科大学病院 新大学病院棟の電気設備
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最優秀開発賞
受賞者
(設計・BEMS開発) 清水建設株式会社 ○
(合金開発) 国立研究開発法人産業技術総合研究所
対象の業績 建物付帯型のCO2フリー水素エネルギー利用システムの開発
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優秀開発賞
受賞者
(設計・エンジニアリング) 株式会社竹中工務店 ○
(自動制御・中央監視) 朝日機器株式会社
対象の業績 ビッグデータと連携したAIによる建物設備のリアルタイム制御システムの開発
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優秀開発賞
受賞者
(計画・施工) 日本電設工業株式会社 ○
(施工(電気)) 川北電気工業株式会社
対象の業績 名古屋東急ホテルのリニューアル電気工事による技術開発
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(以上,7件22社)

技術振興部門

※部門別各賞の受賞者に付記した○印は幹事企業・団体を示す。

振興賞
受賞者
(設計・監理・総合施工) 株式会社竹中工務店 ○
(施工(電気)) ダイダン株式会社
対象の業績 ~ZEBをもっと身近に~ テイ・エス テック新本社ビルの電気設備
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(以上,1件2社)