電気設備学会

2014年(平成26年)電気設備学会星野賞受賞者

第8回 星野賞受賞者の功績概要

藤縄 雅

所属
独立行政法人 理化学研究所
功績概要
藤縄 雅氏は、本学会主催の国際ワークショップにおいて2011年から2013年まで3回連続で口頭発表を行い、好評を得た。また、ワークショップ中は積極的に質疑を行い、諸外国からの参加者と議論を通じ技術交流を深めた。
理化学研究所入所後、超伝導サイクロトロン加速器の建設に携わり、主に交流電源等電気設備の設計、製作、施工を主導した。加速器運用開始後はその運用及び高度化に携わり、その成果を、海外で開催された加速器関連学会において講演を行った。いずれも論文がある国際会議であり、電気設備技術者の少ない加速器関連の研究、技術の発展に貢献している。これまでに、英文論文誌に単著で3編の論文が掲載されており、我が国の加速器関連電気設備技術に関する技術の高さを知らしめている。また、理化学研究所仁科加速器研究センターでは毎年の業績RIKEN Accelerator Progress Reportとして英文査読付論文誌を発行しており、現在までに筆頭著者として掲載されたものが13編、共著論文も多数あり、広く海外でも参照されている。
2007年より日本大学生産工学部にて非常勤講師を務めており、電気関連科目だけでなく科学技術英語及び科学技術欧文技法を講義している。電気設備技術を英語で教える事で若者の国際化、海外雄飛への一助となっており、多くの教え子が電気設備技術者として海外で活躍している。

柳川 俊一

所属
株式会社昭電
功績概要
柳川 俊一氏は、本学会の評議員に就任し、また、IEC/TC81国内委員会、雷保護JIS原案作成委員会や雷関連の委託研究委員会の委員として活躍している。
国内における国際活動としては、2006年に開催したICLP(International Conference on Lightning Protection)金沢大会、2009年に開催したALPF(Asia Lightning Protection Forum)横浜大会、2013年に開催したIEC/TC81(雷保護)札幌会議等がある。これらの国際大会は本学会が共催している国際会議であり、同氏は実行委員会の一員として中心的役割を果たし、雷保護分野における技術的交流に貢献した。
また、ICLP、ALPF(現在はAPL(Asia Pacific International Conference on Lightning))及びAPEMC(Asia Pacific EMC Week)において複数回、論文を発表し、SPDの諸特性や接地の過渡的特性について、日本における技術力の高さを示してきた。
特に再生可能エネルギーとして注目されているが落雷頻度の高い風力発電システムの接地における過度特性については、全国11箇所で実機での実験を実施し、その結果の解析により効果的な雷保護設計などを提案している。

Kim Jong-Seo

所属
社団法人大韓電気協会
功績概要
Kim Jong-Seo氏は、(社)大韓電気協会に勤務し、長年、韓国における電気設備技術基準の策定に深く係ってきた。
国際整合化の動きが韓国においても具体的になり、大韓電気協会基準部においてIEC 60364規格群の取り入れ方法について検討した際には、主たる役割を果した。この国際整合化に関して、日本の動向を調査するために数回にわたり訪日し、本学会のIEC/TC64国内委員会メンバー、低圧電気設備の国際化に関する委員会メンバーと交流をもち、多くの成果を挙げた。その結果、最近になって、韓国における電気設備基準はIEC 60364規格群を全面的に取り入れた新しい基準を作成され、日本との国際交流を通して、この作業に多大な貢献を果たした。
また、本学会が「電気設備の国際化に関する韓国実態調査」で訪韓した際、調査協力に尽力した。本学会が共催するアジア雷保護フォーラムにおいても韓国における運営を担当し、成功に導いた。
このように、同氏は大韓電気協会と本学会との国際交流の実務に積極的に貢献した。さらに両会の国際交流協定に関しても大きな役割を果たし、同協定式では通訳の役目を担った。
英語、日本語、中国語を駆使し、日本、中国、ベトナム等において電気設備の学術・技術に関わる国際交流に積極的に活動している。