電気設備学会

2017年(平成29年)電気設備学会星野賞受賞者

第11回 星野賞受賞者の功績概要受賞者

百海 周

所属
東芝ライテック株式会社
功績概要
百海 周氏は、主に航空灯火システムの性能向上に尽力された。航空灯火の性能は、見え方・明るさ・色などのソフト、耐航空機構造物・LED制御回路などのハードなど、その技術範囲は広範囲であるが、その開発に当たっては、常に国内の中心的役割を果たされた。1993(平成5)年にIEC/TC97が設立されて以来、これまでに得られた知見をもって、年に1回から2回程度開催される同TC及びWG国際会議に、我が国代表として参加し、航空灯火システムに関する国際規格化に尽力された。
また、これら規格の制定過程においては、我が国における航空灯火システムの実態と有効性を丁寧に、粘り強く説明し、航空灯火の気密性評価方法、必要照度など灯火の見え方の確認方法等、標識灯と電球を一体で考える我が国の航空灯火システムに関する実態を国際規格に反映させた。
一方、国内の整合性を図る上では、初期性能の確保を中心としたIEC規格に加え、環境や長期保守メンテナンスを考慮し、電力や標識灯質量の上限を盛り込んだほか、ボルト、ナット、ガスケットなどの共通部品についても仕様を記載するなど、我が国の航空灯火関連の規格の国際整合性の進展に顕著な功績があげられた。
さらに、近年航空灯火へのLED化が進展するなか、イニシャルコストの増加等があってもなお、LEDだからできるシステム構築によって生まれるメリット等も踏まえた、導入のライフサイクルコスト分析など、新しい課題に対して先導的に対応してこられ、その功績は極めて大きい。