電気設備学会

2021年(令和3年)電気設備学会星野賞受賞者

第15回 星野賞受賞者の功績概要

松井 倫弘

所属
株式会社フランクリン・ジャパン
功績概要
松井 倫弘 氏はフランクリン・ジャパン社の技術陣の中心となり、JLDN(Japanese Lightning Detection Network)の設置に中心的役割を果たした。現在も若い技術者を指導しながら、JLDNの精度向上技術の開発に大きく貢献している。JLDNの改良、適用技術、雷放電の研究における同氏の活躍は、世界の権威ある学会への論文投稿からもうかがえる。それらの業績を取り纏め、静岡大学より学位を取得したことは、多くの雷保護技術者の模範になる快挙である。
同氏のICLP(雷保護に関する国際会議)、APL(雷保護に関するアジア太平洋国際会議)における発表は、その数の多さと質の高さは際立っており、海外の研究者からも一目おかれている。
また、電気設備学会が管轄するIEC(国際電気標準会議)/TC81(雷保護)において国内委員会の委員を務め、更に雷検知技術の国内技術を国内委員会のIEC規格群主査として取り纏めるとともに、IEC/TC81関連の国際会議へ積極的に参加し、我が国の技術提案を行った。この努力により、ヨーロッパ主流の規格に我が国の高いレベルの雷保護技術が導入される等の大きな成果を挙げている。
同氏は、電気設備学会の共催する国際会議運営に大きく貢献している。特に近年は、APLの国内委員会委員、IEC/TC81札幌会議委員等、実質的にそれら会議を推進する要職を務め、双方の会議を大きな成功に導いた。
このように、同氏は雷現象や雷リスクマネジメント技術の国際規格の制定・改正、関連国際会議の運営、若い技術者の教育、雷保護技術の普及に多大の貢献をした。