電気設備学会

2024年(令和6年)電気設備学会星野賞受賞者

第18回 星野賞受賞者の功績概要

道下 幸志

所属
静岡大学
功績概要
道下幸志氏は、低圧及び高圧の建築電気設備の安全保護に関わる設計、施工、維持管理についての国際規格制定等に尽力していると共に、当該国際規格の国内展開に尽力し、国内規格等の国際整合化に多大な貢献をしている。
電気設備の国際標準化等における活動では主として、低圧電気設備の安全保護及び建築物等における雷保護の国際標準化等に関する委員会等で常に主導的な立場で参加し、国際規格等への国内基準等の反映に尽力した。例えば、IEC(国際電気標準会議)/TC64(低圧電気設備及び感電保護)の国内委員会委員長として、提案される多くの規格案の検討を行うとともに、国際会議に参加し、IEC規格への我が国の意見の取り入れに貢献した。
電気設備の雷保護の活動ではICLP(雷保護に関する国際会議)において、これまで多くの論文を投稿し、5回の座長の実績がある。2006年金沢開催では、実行委員会の幹事及び会場・展示部会の主査を務めた。殊に、2026年札幌で開催予定の第38回ICLPで実行委員長として、会議の運営準備等に尽力している。
APL(アジア雷保護会議)ではアジア太平洋地域の雷害対策技術者の交流の場において、2015年名古屋で行われた第5回で実行委員長として会議を盛会に導いた。また、CIGRE(国際大電力システム会議)において内部WGの議長も歴任している。
国内電気設備基準の国際整合化における活動では、2013年以来、電気設備技術基準国際化検討委員会に参加し、副委員長等を務め、電気設備技術基準の解釈へIEC60364(低圧電気設備)及びIEC61936-1(AC 1kV超過の電力設備―共通規定)規格群の制定及び改正に伴い、電技解釈への取入れ等の検討を実施し、電気設備における国際整合化の推進に尽力した。
電技解釈第218条取入規格の対応JISの原案作成においても2020年以来、JIS C 60364規格群改正等原案検討委員会に委員長として参加し、電技解釈第218条に取り入れられているIEC規格のJIS化に関し検討した。その結果は、逐次電技解釈に反映されている。